7月9日
6時のモーニングティは毎日アンプルバが運んでくるのだが、今朝からパサンディキが恥ずかしそうに小声で「グットモーニング」と言って運んできた。「よろしい!正しいキッチンガールである」いや「キッチンアマである」しばらくして上空に青空が出てきて今日はチャナガール・ラの国境峠へ出かけて、アルニコチュリーを確認するのだと出かける。ビルケとスレーズの動物愛護推進委員達はベースキャンプ奥の湖から5700mのコルに出て、Ghyun Kholaの南沢(チェキャップ・ツオへの谷を右俣)へのGhyun Khola 左俣にあたる、5700mの無名峠からゴラとカッツァルが越えられるかを調べに行かせた。
 僕達は、15分程でネパール側の国境チョルテンがある所へ立つ。Chanagor Bhanjyang(5665m) 峠から東のアルニコチュリーらしき峰は5655mがじゃまして見えない。ガラガラ路を越境してボンダリーマップにはあるアルニコチュリー峰の西北側にある二つのポカリに出て、チベット側のケルンへと出た。目の前にチベット側の山々と真直ぐ北へ流れる無名谷と路が眼下に見下ろせて5214mにある湖が見える。真黒なチベット側の山々がつながり、東にチャナポロ峰5897mが僅かに残雪を付けていた。どこから観てこの山の名前が付いたのだろう。右手にアルニコチュリー峰からの北に伸びる尾根5997mから5991m、チベット国境になる6037m、5921mの西面にはベッタリと雪壁がつながっていて、このアルニコチュリー峰という昔から呼ばれている峰も、どの辺りから観て呼ばれるようになったのか?多分、眼下の湖から見れば周辺で唯一大きく雪山に見えるからなのだろう。GPS 5650m N29 11 237 E83 37 432まで下ってパノラマ写真とスケッチをした。プレムから、この辺りまでチベット側に車道があるし、トランシーバーを持ったチベッタンが中国公安と連絡を取り合っているので越境は止した方がいい。と言われてたので湖行きは中止した。アンプルバが怖がって…・。ツルジムやカンチャ・ダワなら全然気にしないのになあー。肝っ玉の小さい奴め!越境に向いてないシェルパなんだ!いや、彼は僕の公安の拘束を心配してんだ。
 まあ今回はネパール人達の忠告を守ろう!去年のテロ事件から中国公安もシビアになってるらしい。
ホントかなあ?こんなところ誰も来ないけど……。ベースキャンプに戻ると無名コル偵察を終えた二人が帰ってきて「アキまへん。岩や石ころがギョウーサンおますから、動物では越すのは無理ですねん」と半信半疑ながら報告したので、下りはGhami Bhanjyangをガミ村へ下ることとしよう。
 昼からベースキャンプ南側の6060mピークの取付のガレ場へと出かける。
GPS 5672m N28 08 257 N83 39 478から北 50方向にアルニコチュリー峰を確認してベースへ戻る。
ヨシナガはん、スミヨシDR.、水谷はんへ電話。Junkoさんが台風接近を知らせる。
 アンプルバに大阪へタイフーンが接近・…!と報告するも「…・ウン?」ベースの付近にはブルーポピーが見事に群生してる。
今回は全く順応してないけど、パルスオキシメーターはタイフーンさん96、アンプルバは98、パサンディキは99。まるで僕の期末試験の点数結果のようで…・。上出来!上出来!パサンデイキ。
 
 
ルート偵察のためにBC背後のChanagor Bhanjyangへ出かけた。
国境ケルン5665mが、15分登るとあった。BCはGPS 5562m
N29 08 453 E83 39 526なので、標高差100mだけ…・。
          ここから道しるべの小さな石ころを積んだケルンに導かれ、
ポカリを二つ過ぎるとチべット側のケルン?が並んでいた。
写真の右のガレ場の奥の左端がArniko Chuli 6034mで北側の峰に国境が続き、5951mから向きを東に変える。
撮影ポイントは完全にチ…・チベット側…。もう少しマシな写真ンは後日に…・。
真北に谷がチベットへと続いていて、湖が見える。
 
ネパール側のコル(ケルン)から南をみると(右)の方に遡って来たNakhkem Kholaの上流が広がり、
5962m、6049mの頂上付近の残雪が見えて、雪の尖がった?ピークは6060mで左の雪稜が続き、
左の雪壁が5986mの北壁となり、Nakhkhem Khola源頭の無名コルとポカリへと続く。
左の尾根はArniko Chuliに続く5944mへ。
 
↑画像をクリックして頂くと、拡大版でご覧頂けます。
Dhanagor Bhanjyang 5665mから観たチベット側はトルボのゴータンヒマラヤの北側とあまり変わらない。
真直ぐ北に流れる川にはラカノディ(ラカ川)と合流する。
西のDhaknak Bhanjyang(Sana La)5465mからの流れコタンリノディ(コタンリ川)と16Km先で合流する。
湖の後方、二つのマッシュルーム姿の雪山は、マリン(マユン・マリユン)ツォから
東のパノラマ写真を以前発表したけど、この峠への谷のすぐ左に同容の雪と山があるので、
同定に狂いはなかったので、この谷を左に曲がれば、すぐマリンツォがある。
プレムは馬なら、1日でチェキャップ・ラ(新地図:Jyanlatunpu Bhanjyang5737m)
チェキャップ湖(Chekyap Tso)までなら、マリン・ラから2日で可能でしょう。
早馬ならティンキューから2日でこれる。ピンゾー・ラ、カンクン・ラの方が地図上近いけれど、
谷を上下する分時間がかかる。ティンキューから真東に5400〜500mの山を越えて、
ここまで来るルートがあるらしい。チャナボロ峰(Chanabolo 5897m) は地図では、
この峠のすぐ西に位置する。このピークに名前がついたのは、
中ネ国境地図のよってであるが、アルニコチュリー峰は古くから付けられていて、
インド測量局1インチ1マイル地図でも、位置こそ違えども古くから名付けられていた。
 
↑画像をクリックして頂くと、拡大版でご覧頂けます。
Chanagor Bhanjyangへの偵察後、BCの南側の6022mピーク側に行って国境側の山々の写真を撮りに出かけた。
Nakhkhem Kholaの上流は流れがいくつもあって綺麗な水が流れている。
この辺りにはヤクの糞が全くない。羊の糞も同様で国境峠への路にも全くなかったので、
最近はプレムの言った人通りが頻繁にある。というのは噂だけである。
GPS:5672m N28 08 257 E83 39 478が撮影ポイント。
アルニコ(アラニコ)チュリー峰の南壁のガレ場が正面(50方向)に見る。
右の雪面の奥にやや高いそうなピーク(60方向)かな?と思ったが頂上に立つとそれは頂上雪田であった。
ArnikoChuliからChanabolo Peak、そして西のトルボ方面の山は完全に
トルボの山姿と天気で、チベット風情の真黒山が続いている。
ナナナント!Arniko Chuliの南は空中写真で見た通りのガレ場やおまへんか!ショックが大きいなあー。
 

   カレンダーへ