97年の春に私達はパトラシヒマール登山隊という許可でララ湖の北、グムガディ村へ大型ヘリで飛び、ムグカルナリ河沿い路をムグ村を訪れ、コジ・コーラを遡りこの山の北側から接近して、カンジェロバ山群北方の国境にある未踏峰カンティ・ヒマール峰6859m概要をつかんだ。 北側からのルートは完全にチベット側を廻り込まねば東稜上に到達出来ず、距離的にも何日間も、広い大きな氷河上を進まねばならない。 大きく東に入ってネパール国境をコジコーラの南側に越えて、北稜か西稜を登路にとればいいのだが、ルートはバリェションの岩稜登攀となり技術的に困難なものとなろう。やはり南面のタクラ・コーラから氷河に出て東稜へルートを求めた方がいい。と言う結論に達した。 98年8月、夏シーズンの許可で先ず、ムグ村まで隊荷と先発メンバーがジュムラからキャラバンでトランスポートをする。97年春と同様にムグ村ヘ。 本隊はスルケットからチャーターヘリでムグ村に残る隊荷とメンバーが直接に飛ぶ。本隊はナムジャ・ラ峠方面へ上がり、高所順応をメンバーは行う。 隊荷と先行ルート工作隊はチャング・コーラへ入谷する。 ゴラ・ラ 5182mの峠を越え、ラングーコーラ上流の支流であるタクラ・コーラを遡り5000m付近にベースを設ける。6000m弱の東側、国境上のコルに上がりキャンプを出して東稜にルートを見出す。 この峰の偵察登山を9月中には終えて、ムグ村にて休養後、ムグコーラを再び遡る。 ナムジャ・ラ 4986m峠手前の西側のタンキャ・コーラに入り上部の氷河を横断して、西面のタンケ・コーラ上流へトラバースして、タンケ・カルカへ谷を下る、北西に入り込んだチェンガール・コーラへ入谷して。 5000m付近にベースキャンプを設け、ゴラク・ヒマール山群の未踏峰の鋭峰アブシ6258mを試登頂。 再び北西のルルピカ・コーラへ5000m級の雪原上のコルを越えて北上する。 6000m弱の尾根を越え、ドザム・コーラに降り、チャンラ峰に接近する。 同峰を日本ネパール合同隊として短期速効登山をする。 この未知の山域を横断する登山には東京都のバーバリアンクラブ・サイパル登山隊との連携で完成したいと思ってる。 |