8月1日
朝まで激しい雨が降り続いた。5時に、ゆで卵2ケとお茶を呑んでいるとBENIで車の手配とカトマンズへの連絡のためにD.V.ライが先行する。ますます強く降る雨の中へ飛び出る。左岸へ渡り、Ghar Kholaの吊り橋を渡るとカリガンダキの左岸、濁流横の岩棚路を恐々通る。樹林と畑と数カ所の村を雨の中をアンプルバとパサンディキが続き、話をする元気もなく一目散で駆け抜ける。Dasleで濁流のカリガンダキを右岸へ、5m程の岩を刳り貫いたトンネルを過ぎてBega Kholaを渡る二人載りのケーブル乗場。外国人は50Rs、ネパール人は10Rsで黒い激流渡渉はせんでもいい。ここから河横の路は濁流に削られていて、大きく高巻く路を上る。畑とドドーッ水量が凄い小さな流れで、老婆が難渋していて若者が手を差し伸べ、後からやって来た老人はパンツ一つになって助けるという、いい光景を見た。しばらくして一同が合流ハイキングのさまで進むと大トレッキングチームの荷を運ぶ多勢のポーターとシェルパと行き違った。奇麗な滝と草地から路は奇麗に整備されていて大休止とした。
8時半、俄かに陽がさし濡れ物を乾かしていると、「ヒコーキの音ですなあ」「ア!シャングリラエヤーですわ」「ひひ…ヒッかえしますでえ」「ブーン♪」「また来た」「ひき返しました」「ブーン♪」「またポカラへ戻りましたわ」3回試みたが、タトパニ方面上空には雨雲が垂れ込めて「ワハハ…・アンプルバ!これで、今日もフライトはキャンセルやなあ」
 ここからBENIまで4時間はかかる。と同行の若者は気絶しそうなことをのたまう。
「あの向こうの向こうの、あの向こうの方ですでえ」
トラバース路から、小沢をどんどん下ると工事中の道路へと出た。Sajhapaniで真新しい日本製のブルドーザーが1台、インド製のブルドーザーが1台停まっていた。道路はヌカるみ、山側から土砂崩れが道路を覆っている。道路の溝端側を通ると対抗する人々が多くなり、溝工事をしている所が出て来てRahughot Kholaの吊り橋を渡ると同名の村。
ここからGar Sur吊り橋の手前でカローラのタクシーが見えた。案の定、この村にはタクシーのジープ、何十年も前のカローラが何台も停っていて大勢のドライバーが客寄せをしていて、ドライバー同士の大喧嘩も始まって、どの車に載るか迷った。一人20Rsの乗車賃で、ガタガタ道の下り坂を車は飛ばして旧Beni、カリガンダキ河の大きな吊り橋を渡ると大きなバス、タクシー・ターミナルが出来ていて、チャータータクシー3時間半でポカラのシャングリラ・ビレッジ・ホテルに着いた。道中、多くのアーミー・チェツクがあって、その度にトランクを開け、荷物をチェツクする。銃口で窓ガラスを叩き「手荷物チェツク」と言うたびに「お前ら何んで銃口をこっちに向けるんじゃ」とおおもめ!
 
Bega kholaを渡るには、村が管理しているワイヤロープにぶら下がった二人乗り手動式ケーブルに載る。
アンプルバは写真係である。
「コワイなあー、バラサーブ」とパサンディキ。
「何いうとんじゃ、これしきのことで」
「お前がバラサーブのザックを担げ」とザックを担ぐと椅子よりはみ出るから怖い。
 
「おおおおーい!パサンディキ、こっち向け」と叫ぶアンプルバに笑顔で振り向く。
僕は深く腰掛けて笑顔で「全然快適じゃん」川の向こうでは、もう一人のにいちゃんが引っ張る。
引き手は二人分の重量がかかってが、重量は僕の方が軽いし外国人だから金額がネパール人より5倍の50Rs。
「いいねえ、外国人のお客は儲かるから」とにいちゃんは…。
 
雨も止んだし、あと4時間半で歩きもおしまい。今回は夫婦でお仕事したので儲かった!笑顔!笑顔!のお二人さん。
 
BENIからBAGLUNGへの本道、コンクリート橋左岸のKhonyagarまでは地道のガタガタ道路が35Kmを
30年前のトヨタカローラ・タクシードライバーは、上手に運転するけど気分が悪くなるほどヒドイ道だった。
ドライバーは「ここからポカラまではハイウェーだよという」「…・ン?ハイウェー」、
やがて、時速100「は出てる(勿論スピードメーターは壊れてる)超スピードが出て来て…・・。
でも、何度も弱い者に威張り散らす、馬鹿な下っ端アーミーの検問に来ると停車するので、
心休まる。Modi Kholaを遡りだすと何度か歩いたLumile、Khareを通過、
村は全く昔の面影はなく、ドライバー相手のレストラン街となってTVアンテナまで立っていた。
下り坂に来ると恐怖の猛スピードでタクシーは突っ走る。レーサー並の腕前発揮するのだ。
UKYOがモテる理由はこれなんだ。
写真のバス停はどこか解らない。茶を飲んで解った。ノーダラなのです。
ホン少し前にはテントをナイフで切破る人達の多かった有名なノーダラなのです。
あの若者と子供達はどこへ行ったのだろうか。
 
高級ホテルに宿泊するのは初めてのパサンディキは興奮気味に記念写真を撮った。
バスタブに初めて浸かった。寝転んで入ったのでお尻が浮いて困った。
とアンプルバは笑いながら僕につけ口するのだった。いいなあ新婚気分で…・・。
 
ここのホテル4度目のアンプルバは「中華料理が美味しいのだ。
ラジンパットのホテルより、ずっとオイシイね」と言った。おじさんは早々に退散せなばならぬ。
「ごゆっくりお楽しみ頂きますように」
「…・ン?何を・…?」とお二人は笑った。
 

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