7月11日
高曇りから陽がさしてきた8時BCを出る。今回は僕も毎日テントを立て、たたむ作業をするが、こんな作業を今まであまりしたことがない。Nakhkhem Kholaを4Km下り、左左からのGhami Bhanjyangへの路に入った。出合が5200mで5560mから谷は狭まり、ガラ場となってドンキー・ドライバーも難渋している。ポカリに出ると背後の5998mの岩山から落石が頻繁に出て、右に折れて流れの横を進みケルンへと出た。ガミ・バンジャンと地図に書かれている所である。ガスが出てきてダダ広い地形でガミコーラへ降りる路導べの小さなケルンを見つけるのに、GPSとコンパスグラスを駆使して下る方向を探す。
 地図ではポカリを記してあるが見当たらない。「ポカリなんかありませんサァー!」とアンプルバは「あっちへ行け」「こっちへ行け」と指図する僕を半信半疑で聞く。
 少し東へ行きすぎた。地図のトレイルはインド測量局の地図と同じ位置に記してあり、ガレ場から草付きの斜面に出るとガミコーラ上流にあるポカリが見えた。ガスもなくなり周辺の地形が良く解るようになり、下流への広い、広い川床が見通せる。地図では大きな氷河が南の6196mへかけて記されているが、これはこんなに大きくなくて単純な空中写真判断ミスである。5892mのピークの東側へ氷河の舌端が出ていた。
 ここから、ただただ下るだけで口数も皆んな少なくなる。お腹も減って1時20分、GPS 5477m N29 04 595 E83 40 737 で遅い昼食を採った。流れを渡渉して左岸の段丘草付きを歩くようになって6Km程下ると右岸へDhuya Kholaの流れが交わる手前に今では使われていないだろうカルカがあった。ここはGPS5228m N29 04 192 E83 44 050 で南にJakurijan Lekの6344mの真白なピークが見える。Dhuya Kholaが交わる所はゴルジュ状になっていて、このコーラの上流にはKhyoklun Himalの数座6100m前後の山々あり立派な氷河も携えていて、激流はこちらの方が大きい。左岸のゴルジュの上の岩棚をトラバースして、新地図はLLOMANTHAN 2983-16に変る。これまでの地図ARANIKOCHULI 2983 11 and 15はGhami 14Kmと書いてある。LOMANTHAN を見るとGhami Bhanjyang 14Kmと書いてあって、ここが丁度半分の距離。そろそろ今日のキャンプ地を探さねばならぬ。左からの沢が濁流となって流れ、カッチャルが渡れない。あれやこれやなだめすかして、叩きまわして…・・、向こう岸へ行くもここから急な下りとなって岩棚がある。雷が鳴り雹も降りだし、霙となった。もう全身ずぶ濡れでひき返すに帰れず、アンプルバの動物的感?で岩棚のハングした所で半分だけテントを張った。ブルブル震えて、温かいミルクティが出た頃には真っ暗になってずぶ濡れのまま、ウトウトしてしまった。8時過ぎに遅いダルバートを全員で食べる。霙が止んだ遅くにアンプルバがテントを張り替える。やっと震えから解放されたのは10時を廻っていた。
 
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アルニコ・チュリー峰頂上からアンプルバのバカチョンでのパノラマ写真。
パチュンハム、ダフェサイル、ツォカルポカンなどは肉眼でははっきり捉えられたが…・・。
同定してみたものの、後日若干の訂正はありうるのでご容赦を…・。
 
背後のまあーるい3つの山はNakhkhem Kholaの右岸、
ティンキューへはこの辺りを越えて往来する路がある。Ghami Bhanjyangへの路を進む…・。
 
峠近くにあるポカリ。
 
西ネパールで多く見られるジンチョウゲの仲間Stellara chamaejasmeだと思うけど…・・。
この辺りに赤い色とピンクがそこいら中に群生していた。
昼食を採ったところでは、ブルーポピーも沢山咲いていた。
 
地図表記 Ghami Khola の5342の南1.5Km南にあるN83 41 E29 04の6144mの北壁。
ツォカルポカン峰北壁小型版岩壁であります。
 
テントの左の裏側洞窟で前夜は雨宿り、10時ごろにここへ移動した。
右の8人用テントはひっくり返されて乾燥中…。ずぶ濡れ衣類を乾燥してるです。
 
ガミ村へ出る手前からK先生の病院と農場、その左の山裾から谷に入り、
Chingel Bhanjyangの大石積チョルテンを経て、
ツァーランへ行く路が見える。ゴンパも見 える。
この付近からのガミ村の写真はめずらしいでっせ。
こんな所へ行ったらガミのおっさんが飛んで来る……?
 
右の懸垂氷河の奥に6344m、左の谷のピークも6018mあるが、
JAC Vol.IIの付録地図に記載してないピークがあった。(抜けてましたがな…・)
 
6344mの北面雪壁
 

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