LIMI's Growth Diary(20th,Mar,2001 No.6)

「春分の日」のお休み。 バラサーブのお家の犬の額?いや猫の額というか鼠の額の方が適切表現の広さの庭にも一気に「春ですよ!」と感じさせる陽がさし込んで来ました。この朝のまだ暗い内からご夫妻は「お墓参り」に紀ノ川の岩手町という所にあるO家先祖代々のお墓に参って来たのだと云った。  それから、日曜日に買ってきた「犬用ベツド」とやらを私の陣地に設置したのである。 「どうじゃ!快適やろう?」と言い何度も何度も「寝てる…・・?」と覗くのであった。 純子さんも「どう?気持ちいいでしょう?」とこれまた幾度となく覗き込むのであった。  そんなこんなで休日というのに、日中は全く惰眠をむさぼれなかった。  私の生まれた西北ネパールのリミ谷は、チベツト人の世界で同じフムラ、ムグ、アツパートルボの人達とは少し異なる生活様式で、殆どのネパールの山岳民族の生活様式がそうであるように2階で全ての日常生活をする…・というのではありません。 1階はそれらの人達と同じく家畜と家畜の飼料である干草など保管庫です。2階には人間 用の穀物(米、大麦、トウモロコシと乾燥野菜、特産のおかき餅状にスライスした乾燥チーズなど)が保管されていて、この階には広い仏間が作られていてチベツト仏教が脈々と伝えられ信仰されているのです。このタクチエ・コーラ(上流からジャン村、ハリジェ村、テイル村の3村を称してリミといいます)への生活物資、文化、、生計とそれらの依存度はフムラカルナリ河の上流の西チベツトの重要な都市プランの影響を全てに渡って受けているのは今も昔も同じですが、近年中国政府はこのプランを最重要地域として軍隊、公安の数を増し施設を充実させて、中国人の経済的勢力一段と高揚しているのです。  では、このリミの谷へ宗教的のもが伝わったのは……いつごろ?何派のチベツト仏教か?(この私の成長記録の付録として、末尾にリミ谷、チベツト仏教と寺院伝承仮説記載) を記してみましたが・…?、門外漢のバラサーブには、正しいと果たして…・。TUCCI博士やD.L.Snellgrove博士などが証明したのなら間違いないけど……。

「…・ン?何やよう解らんが…・・これが私のベツトと何の関係がある・…?」 そう!重要なのは、この谷の家々の3階。つまり屋上は、家の廻りに屋根が張り巡らされ、真中が屋上の庭になっていて青空が見えています。降雨量 の少ないこの地方は、この半架けの屋根下が居間兼寝室で、ベツド状に板で造られた箱が置いてあり、長方形のチベツタン絨毯が曳いてあり椅子兼ベツドとして使われている。そんなもんしか見てない僕には、アルミ製パイプにナイロン生地を張ってあるベツドなんかは全く知らない。  始めはバラサーブに無理やり寝転ばされた。 「ギャー!何じゃこれつて…・」「…フン?わりと快適じゃん」 「これから、これ使おおおおおおーツと」「これで寝よううううううーツと」 と思わずニンマリしたという訳であります。

まあ、あんなこんなでリミ谷へチベツト仏教が西チベットから伝承したのと違うかなあー と思うんですが…。まだ誰もこの谷の文化人類学的チベツト仏教伝承とこの地のゴンパと 人々の調査とか発表論文がないんですなあ。 このゴンパなどはURL「極西北ネパール登山隊2000」報告の7月12日の写真参照してみてください。

(参考文献)
“A Mountain in Tibet” Chales Aiien London 1982
“The Temples of Western Tibet and Their artistic Symbolism” G.Tucci
                III-1、III-2 1935 Roma                 
                 English translation 1989 New Delhi
“Western Tibet and The British Borderland” C.A.Sherring 1906 London
“The Sacred Mountainモ J.Snelling 1983 Southhanmton ”
“ Sein Leben in Tibet” P.Aufschnaiter 1983 Zuruch.
“Kailash-Manasarovar” D.Sharad 1998 Chennai
“The Forests of Upper India” T.W.Webber 1902 London.
“Humla to Mt.Kailas”S.Armingto & S.Upadhyay 1993 BKK.

僕の特徴はこの茶色の眼の上の斑点なのです。
こいつでヤクや羊を脅し、牧羊犬として チベツト高原を走り廻ります。
だからバラサーブは毎夜「お散歩」を終えると庭に僕を放ち、
狭い庭を全速力で走らせてくれて、バラサーブへ体当たりして、
噛みつき動作をさせてくれます。時々機嫌が悪い時、噛み過ぎた時などは足蹴りをくらいますが…・・。
僕の寝転んでいるのがアルミ製ベツドです。
本来はお部屋で飼われている愛玩犬用なので すが、なぜかバラサーブがどこからか手に入れて来ました。
ちよつと小さいベツドですが、 まあ快適なのです。背後のプラスチツクボツクスは僕の食糧が20キロあります。
毎日450gx30days =1.5ケ月しか入りません。  
丁度、僕が生まれて今月末で1歳のお誕生日。誕生日プレゼントとバラサーブは云っていましたが、
本当はこんなものより「美味しいカシ(羊肉)」の方が嬉しいんだけど…・・。