4th,AUG.−果たして慧海師はどこを越えたか?

  
根深誠氏は彼の著書(遥かなるチベット)で マリユン・ラを越えた。と断定している。

@先ずドルポからチベットへ抜ける間道は5本ある。
Aチベット側に二つ湖があるのはマルユン・ラとエナン・ラである。
B湖が三つあるのは唯一マリユン・ラしかない
C5本の間道の内マリユン・ラが一番歩きやすい。
D湖は岸辺から大小の区別しか出来ないように思う。
E湖の形状までは解らない。慧海師は地元の情報をそのまま表現に使ったのでは
F3つの湖の名前はトゥク・ツォ、ハンム・ツォ、ルン・ツォで三つ目の湖はなくなった。
おおむね、以上の理由で慧海はマリユン・ラを越えた。


(反論1)
間道は10本ある。
ネパール名とチベット名と中国語で高さと位置もきちっと記されている。
テインキューから行けるPanjang Khola沿いの間道は
東から

Kangkung Bhanjyang 5564m,Chukung Bhanjyang,笠貢拉
Pindu Bhanjyang 5600m 平都拉(16国境標識)
Marim Bhanjyang 5488m Mayung Banjyang 馬勇拉(15国境標識)
Yanang Bhanjyang 5487m 雅南拉
Chala Bhanjyang 5469m
Mengla Bhanjyang 5335m 門格拉
Laru Bhanjyang 5239m,Mala Bhanjyang 墨拉
Khung Bhanjyang 5411m 孔拉 (14国境標識)
Lung chung kamo Bhanjyang 5393m婁突嗅莫拉
Nameless Bhanjyang (Yunble Bhanjyang) 5663m
以上10ケの峠が両国で定められている。

インド1インチ1マイル地図、ロシアンマップ、では谷から峠への道が間違ってるが6本。
USA地図などにも記されている。
吉永定雄 東京山旅クラブ報告巻末地図では6本の峠が記されている。
不正確きまわりないKTM市販の青焼き地図でも6ケの峠が記されていて、
無名峰の聳える国、巻末地図(吉永作成)では4つしか記されていない。
日ネ協会の探検 記録地図(高山作成)ではピンドーバンジャンが越えた峠かも・・・と。
ネパール全土50万分の1(3枚組のCentral)では9本の峠が記されていて、一番正確かもしれない。
スエン・ヘデインの測量地図はクンバンジャンしか記されていない。
キャンプ253からS5度Eにパユンハム峰とクン・ラ がスケッチされている。
最後に慧海師の概念図のドルポのシエーゴンパを 寄ったかどうか?
この概念図では正確ではないけどマリンバンジャンかヤナン(エナン)バンジャンかもしれないけど、
Three in the Tibetの英語概念図はドルポの周遊してシエーゴンパに行った?
行動図 は円で記され、峠越え位置はメンラ・バンジャンと なっている。
その他の概念は両者とも寸分変わら ないけど、このドルポ周遊だけが異なっている。

A以降は順じ書いて行きます。


チャンディ峰6623m カンティヒマール6859m についでカンテイヒマール連山の高峰。
チャンディ・コーラ 29 39 262-250N 82 49 593-620E のキャンプからの南壁。
右懸垂氷河から廻り込めば奥に頂上がある。


タクラコーラ(カンティヒマールBCへの谷)を渡り、ゴラ・ラ5182mを越えると
背後にチャンデイコーラのグリーングラスが美しい。
放牧にはここまで来ない。
奥の鞍部はヤラ・ラ 29 39 232-250N 82 49 593-620E 5396-5495m のGPS測定値が見える。
右側の雪山は 5904m の無名峰か?昨秋も見えたピーク。


ゴラ・ラから北に目をやると犬顔ピークの岩峰の背後にカンティヒマールの東のピーク付近だけが見える。
この岩峰ピークの左に見えるのはカンティでなくて 6215m ピークの南側だろう?。


チャヤ・コーラ(チャング・コーラ)を下りムグ・コーラの出合まで来ると
木々の緑の葉は落葉樹となり、草花の種類は全く異なり、
2000m ラインまで来ると一気に暑さと空気がうまくなる。
背後はムグ方面。

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