ガネッシュ山群の解禁峰標高と申請トラブル


今年97年の秋、日本の登山隊でガネッシュV峰への計画がありました。
山の標高変更83年以降、ネパール観光省は次のように標高と経緯度をレギュレーションに表記されました。

  ALT. LAT.(N) LONG.(E)
Ganesh(Vangra) 7429m 28.23.30 85.07.38
GaneshU 7111m 28.22.45 85.03.32
GaneshV(Salasungo) 7110m 28.20.07 85.07.19
GaneshW(Pabil) 7052m 28.22.17 85.03.43
GaneshX 6986m 28.19.53 85.09.49


と84年観光省発行のレギュレーションには記載されております。
しかし、日本国内で発表されてる各ピークの標高は(経緯度標記なし)83年以降標高も修正されていて、世界山岳地図集成ヒマラヤ編、コンサイス外国山名辞典、ヒマラヤ名峰事典などでは

  旧標高 改訂された標高
GaneshT (Vangra) 7406m 7429m
GaneshU (Lapsang Karba) 7150m 7111m
GaneshV 7132m 7110m
GaneshW(Pabil) 7102m 7052m
GaneshX 6950m 6986m

となっていて、ガネッシュV峰を申請したこの秋の日本隊に対して、ネパール観光省は、「それはU峰である」と再申請を要請し、登山隊とエージェントの折衝、日本大使館、日山協国際部の助力の結果、申請通りのV峰をU峰として許可を取得し、隊はようやく出発の運びとなった。
(9月14日頃の出発)
永年にこの山域に日本隊の入山がなかったのと、15年前にネパール観光省は上記のように定めていたのに日本国内では登山規則をキチンとチェツクしてアナウンスを怠っていたヒマラヤニストと称する人達、無論私達も含めての怠慢であろう。(HAJ山森氏との話で)ひつこいようだが、84年の観光省発行のレギュレーションでは許可峰の経緯度を定めていたのに。
ちなみに、同山域に登頂した日本の登山隊は次の通り。
1978年に解禁に努力した労山・ネパール警察合同隊がパビール(GW)に初登頂、これから以降次々と日本隊が入り、79年秋にGU峰が岡山大学山岳会、GX峰が80年春に東京慈恵医大隊に、GV峰が81年、九州歯科大隊により初登頂された。
87年秋の福井山岳会隊はGX峰南面に新ルートを開いたが入山経路のチリメ・コーラは中ネ国境はチリメ・コーラを離れ南西のGX峰から東に伸びる稜線に向う地点から35はど手前で、支流を西に入ってしまう為、国境に全く抵触する事はなかった。
79年の秋の岡山大学GU登山隊がチリメ・コーラ上流のサンジェ氷河付近で中国の国境警備兵と遭遇、トラブルを起こしている。80年秋よりチリメ・コ―ラ上流を通過するルートは中国領を侵犯するので、サンジュ氷河側GT峰は東面、GU峰・GV峰は北面からの同峰の許可はルートを変更せねば許可は出ない。
85年の韓国隊は東面ルートから北西面にルート変更させられた。
80年のスイス隊、83年のポーランド隊、84年のイギリス隊とスイス隊、86年の韓国隊いずれもGU峰の許可は南面からであった。
90年代に入っても3〜4隊の登山隊が昔のままのGU峰の申請で、何の問題もなく入山してGU峰を登っているし、GV峰も88年春(英・米合同隊)92年春の韓国隊もGV峰の許可で、従来のGV峰に登っている記録がある。
これからこの地域への入山、申請については、観光省発表の経緯度を確認しレギュレーション通りの山を申請するようにしたい。ルートについても国境の問題があるので留意したい。

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